【成功の秘訣】周りに流されるな
有名なシカゴ大火災の翌朝のことである。
灰燼に帰した商店街の、くすぶる余煙の中で茫然と立ち尽くす一群の商店主たちがいた。
彼らは、この地に商店街を再開すべきか、あるいはもっと将来性のある町で店を開くべきかを決めかねていた。
商店主たちはお互いに腹のさぐりあいをしていたのだが、やがて、シカゴに見切りをつけたほうがよいだろうという考えが大勢を占めるようになった。
だがただ一人だけ、シカゴにとどまる決意をした男がいた。
彼は焼け残った自分の店を指さしてこう叫んだ。
「みなさん!私は今後、何度火事で焼け出されても、ここに世界一の大きな店を立ててみせるぞ!」
これは、1871年のとある日の出来事である。
やがて彼の店は再建され、今日でもシカゴの中心街に、まるで燃ゆるがごとき願望を象徴する心のモニュメントのようにそびえ建っている。
この商店主こそだれであろう、マーシャル・フィールドその人であった。
【マーシャル・フィールド】
==================
マサチューセッツの雑貨屋で5年間勤めた後、19歳でにシカゴに移り、そこで衣料雑貨店の店員となる。そこで見事に出世し1865年31歳で自分のお店を持ちますがシカゴ大火災によってお店は全焼してしまう。
しかし、マーシャルは数週間も立たないうちに仮設店舗を建て、火災から8年後の1979年、ついに新しい12階建てのお店がState Streetに建てた。
そして、1914年に20階建てのお店がWashington Streetに建てられ、その建物は当時の百貨店としては世界一のお店となったのであった。
マーシャルはのちに、生涯資産としてアメリカ歴代10位となる4.1兆円を超える資産を持つまでに至った。
==================
マーシャルにとっては、他の大勢の商店主のように、よそへ移ったことは簡単なことであった。
焼野原になったシカゴには行き先の展望は微塵もなかったのだ。
多くの商店主は、いとも簡単に住み慣れたシカゴを見捨てて、商売のできる将来性のある町を選んで散っていった。
富に対する願望が執念となると、それを獲得する手段をついには見出すことができるが、そうなったら、あとは執拗なまでにそのプランにかじりつくことが大切なのである。
そしてそのプランが失敗することなどはありえない、という決意で臨むことによって必ず富を獲得することができる。
というお話。
次回はこちら